The Amazing ...

毎日は割とどうでもよく過ぎていくことが多く、気づいたときには年の瀬が迫っているという状況になっている。

その中の小さな変化といえば、大学の時の生活の友であったNECLavieからAppleMac miniに買い換えたことであって、現在ハードディスク・ジュークボックスとして便利に使っている。その静音性とハードディスクの容量の増加、iPhoneでRemote操作できること、スリープからの復帰の早さによってパソコンで音楽を聞く習慣が大きく変わり、必然的に触れる音楽のバリエーションが増えた。
そして、中学生の頃に学校の帰りにてこてこ歩いて最寄りのTSUTAYAに行ってOasisであったり、The Rolling Stonesのアルバムをわくわくしながら借りて帰ったのと比較できるくらい、仕事の帰りにTSUTAYAに寄ってCDを借りてコレクションを増やしていくのに楽しみを感じる。

旧友に邂逅したほどとは言わないが、懐かしい、温かい感覚だ。芥川龍之介の『蜜柑』の読後と例えられるような。

Knife

広告会社に行った友達のうちは、忙しいのかほとんど家具もなく、マンションのモデルルームか無印良品の家みたいだった。そこでは、雑誌「広告」という「Tokyo Grafiti」のようなおしゃれなサブカル雑誌のような見た目の業界誌が、読んだ形跡もないながらも目のつくところには投げてある。今月の特集は、「2010年代の若者たち」で、社会学みたいなトピックが文学みたいな雰囲気で、広告人の色気か才気煥発か広告ムラの共通語か高級なスノビズムか何なのか分からないものが紙面いっぱいからただよう雑誌。
実際働いている彼はこのような雰囲気に毒された結果広告会社を選んでいないだろうが、私もこのような甘美な匂いをもっと若いうちに味わっていれば、「広告」という雑誌の中にあるような世界に憧れて、また人生の道を踏み外してしまっていたのかもしれないと思わされる。
やはり、私自身、「非凡な文才」というものに憧れるし、まるで知的であるような表現があればそれに影響されてしまいがちなのだと思う。多くの場合、少々ひねった表現は中身のないことが多くて読み手が疲れるだけだけど、その中の幾らかは他の言葉で掴み取れない時代の曙光を捉えたものだろう。言葉を選ぶのもなかなか難しいことだ。
(雑誌「広告」のiPhoneのアプリで過去の記事が配信されているようです。)

いろんな日々のその先をどこに探している?

今思えば、小学生のときはちょうど今日くらいから夏休みだったんだよね。
退屈を持て余して、扇風機を全力で回して、本とか読んで。


今でも、実家に帰れば同じことするんだろう。
せいぜい、コーラ飲んでた代わりにビールを飲むくらいか。


なんだか似ているんだけれど、この隔絶した感覚。

Time Flies

仕事も始まって日々エクセルと向きあうなかで、うるさいエクセルは「矛盾した数式」っていうエラーをよく投げてくる。で、このエラーは前後のセルの数式と「一致していない数式」を入力するときに出てくるから、おそらく"inconsistent formula"な何かの和訳なんだろうなと思いつつ、「矛盾したって大きなお世話だ!!!」って思いつつ、かちかちマウスをクリックしてエラーメッセージをを消している。そう、なんか難しい顔をしながら。

こんなまだまだおむつを付けてよちよち歩きの社会人に対しては、「今までの自分の環境と「一致していない」ことは、だいたい「矛盾した」って受け取ってしまうよ」という、悟りのメッセージなのかもしれない。

或いは、6月の暖かい自惚れか。

バリューチェーンとか

大学って言うのは教育する機関と言うよりも、卒業生を生産し続けるシステムのようにふと感じた。確かに、個人にとっては(幾ばくかの)教育を施される期間だろうが、毎年毎年新しい人が来ては古い人は追い出されていく、ただそれだけのことかもしれない。
経営学みたいな言い回しで言えば、ある年の4月に原材料が投入されては、製造・加工が行われ、4年後の3月に完成品が出てくるようなある種のバリューチェーンだ。トヨタ生産方式を生んだ国では、このバリューチェーンの「仕掛品」が非常に懐かしがられるというのも、またひとつの(アイロニカルな)事実だし、私も、そして、彼らもきっとそうなっていくのだろう。

21世紀のなんとか

昔から床屋政談という言葉もあるし、政治のことについてだらだら話すことは割合ポピュラーだったのだろう。おそらく、政治は適度に身近で、適度に距離感のあるもので批評の対象として都合のよいものなのだと思う。
さらに、インターネットのような遊び場が増えればどんどんゴミみたいな政治批評も大量生産されていく。インターネットにおいては仮想的な全能感を抱く場面や自分の正当性についてオーバーコンフィデントである場面が多いので、政治批評のくだらなさがインターネットによってドライブされているような感じを受ける。経験的には、筆者が豊富な知識を持っているパターンか筆者の物事の捉え方が特異なパターンのどちらかである場合はおもしろいと感じる。
一億総批評家時代か…聴衆の主体性と言うべきか…

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ジャニス・ジョプリンのベスト盤だ。
ブルースはエリック・クラプトンのバラードのイメージやオールマンブラザーズのくどいくらいの泥臭さのせいで敬遠していたが、このジャニス・ジョプリンはかっこいい。単純なバンド構成だからこそのパワーがあるし、むしろバンド以上に彼女の歌にこそより鬼気迫るものがある。手軽なベスト盤であってもまだまだ世の中には聞いてないけれど聞くべき音楽というのは掃いて捨てるほどあると思わされた。幸福だ。