こうして、古今に倫を絶した俳諧の大宗匠、芭蕉庵松尾桃青は、「悲嘆かぎりなき」門弟たちに囲まれたまま、溘然として属序についたのである。 (芥川龍之介「枯野抄」より)

こうして各人は、同僚の死にともなって生じるであろう異動や栄転に関する憶測をたくましくしたのだが、それとは別に、身近な知人の死という事実そのものが、それを知ったすべての人の心に、例の喜びの感情をもたらしたのだった。死んだのが他の者であって自…

それぞれ自分のエゴイズムに化粧を施して、喜んで薄氷を踏んでいるようにみせることもある。

周りにあることはある程度慣れることでうまくいく面もあるし、少しずつ時間が経てばうまくいくこともあると思う。しかし、慣れることは退屈だ。

読書、引越し、バイトの引継ぎ、会計処理、教習所、テスト、課題、ゼミ選考、勉強とやることがそれなりに多く、これから少しずつこなさないと。

大学生でいられる期間も半分過ぎて、いわゆる大学の勉強なんてほとんどしなかったし、自分の知識欲に流されるまま生活していたのかもしれない。昔とった授業の教科書は本棚で安らかにほこりにまみれている。静謐な咳をしながら。

あらゆる愛―あるいはあらゆる欲望は三角関係においてある。 (柄谷行人「文学について―漱石試論Ⅱ」より)

古典的な女性、言い換えるなら、繰り返しに耐え得る女性がいないという事実から恋が生まれる。従って、結婚、或いは、女性の不動産登記に私は余り感傷的になれない。

また一年始まって、また一つ年を取る。ただそれだけのことだ。