朝毎に懈怠なく、死して置くべし。

「朝毎に懈怠なく、死して置くべし。」
そう思いながら、毎日送っていければいいと思う。


それにしても、この年まで生きていれば、大体自分がどの程度か分かるわけで、そういう時は、芥川の
「天才もそれぞれ乗り越え難い或制限に拘束されている。その制限を発見することは多少の寂しさを与えぬこともない。が、それはいつの間にか却って親しみを与えるものである。」
という言葉を思い出す。


あえて二つ取り上げたけど、生きる限り「生きる」姿勢と、生きることと「生きる」ことの違いを見つめる姿勢との対比がおもしろいと思う。(形而下的な意味と「形而上的な」意味で。)
上は出典は「葉隠」で、山本常朝という人は、「我人、生くる事が好きなり(私も人である。生きる事が好きである)」と言って長生きしている一方、芥川龍之介は「自殺も亦確かに一便法である。しかし人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れずに闘わなければならぬ。」と言いつつも、あっさり、しかも計画的に自殺しているあたりが非常に興味深い。


思うに、芥川っていう人は感傷的。精神の使いすぎで歯車が壊れて死んだ気がする。