今日の言葉

人は僕を老人みたようだと云って嘲けるだろう。もし詩に訴えてのみ世の中を渡らないのが老人なら、僕は嘲けられても満足である。けれどももし詩に涸れて乾びたのが老人なら、僕はこの品評に甘んじたくない。僕は始終詩を求めてもがいているのである。
(夏目漱石彼岸過迄」より)