The Beginning of The End

年の瀬といって一年を振り返っているほど、感傷的になれない。
山手線はいつにないほど空いていて、渋谷から有楽町まで、街には熱がない様子、空には青さがない様子を阿呆のようにただ座って眺めていた。電車に乗ると、歳末や年の瀬と言われる時間が窓の外をひとりでに流れていく様子が一層、乾いた空気を通してはっきり見える。