読書メモ

景気と経済政策 (岩波新書)
小野 善康
岩波書店
売り上げランキング: 127648
経済危機が叫ばれ、財政政策についてマスメディアで報じられることも多い中、手にとってみたが結構よい本だった。この本自体は失われた10年の真っ只中1998年に書かれているので記述の古さはあるが、それを割り引いてもよい本である。内容が幅広くカバーされている点、分かりやすい説明がなされている点は理解しやすく得るところも大きい。中でも、「国債を発行しても国の借金は増えない」というのは意外であったが、なるほどと思わされる。フロイトユングは自分の説を元に文学作品や広く芸術一般を解釈しようとしていたが、この本はユングの著作の中でも特に文学論について的を絞ってある。分析心理学の説明に多めに紙幅が割かれていて、純粋な「文芸論」というわけでもない。どちらかといえば概説的であって芸術一般に示唆が得られるが、偉大な心理学者の真髄に触れるにはまだまだなようである。
企業再生ファンド (光文社新書)
和田 勉
光文社
売り上げランキング: 183907
企業を買収して価値を向上させて売り払う企業買収ファンドに関する入門書。企業にしろ不動産にしろ、日本にはまだまだこういう「買収という文化」が根付いていないがこれからどうなるのか。
パニック・裸の王様 (新潮文庫)
開高 健
新潮社
売り上げランキング: 3085
見えないところでたくさんの人間がうごめいているという不安がよく表されており、言葉の選び方もおもしろい。ただ、特段好きな作家でもない。