今日の言葉

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A thing of beauty is a joy forever (From John Keats "Endymion")

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存在するものは合理的である。 (ヘーゲルの言葉より)

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現実の経験をひとつひとつ、煉瓦を積み重ねるみたいに大事に積み重ねていくしかないんじゃないかな。たとえば……そうだな、一生懸命恋をするとかね (村上春樹「ロールキャベツを遠く離れて」より)

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僕は強い刺戟に充ちた小説を読むに堪えないほど弱い男である。強い刺戟に充ちた小説を実行する事はなおさらできない男である。僕は自分の気分が小説になりかけた刹那に驚ろいて、東京へ引き返したのである。 (夏目漱石「彼岸過迄」より)

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田口は「どうも御苦労でした」と叮嚀に挨拶しただけで、ロマンチックもコスメチックもすっかり忘れてしまったという顔つきをして立ち上った。 (夏目漱石「彼岸過迄」より)

今日の言葉

人は僕を老人みたようだと云って嘲けるだろう。もし詩に訴えてのみ世の中を渡らないのが老人なら、僕は嘲けられても満足である。けれどももし詩に涸れて乾びたのが老人なら、僕はこの品評に甘んじたくない。僕は始終詩を求めてもがいているのである。 (夏目…

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「へえー、近頃は大学を卒業しても、ちょっくらちょいと口が見付からないもんですかねえ。よっぽど不景気なんだね。もっとも明治も四十何年というんだから、そのはずには違ないが」 (夏目漱石「彼岸過迄」より)

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「世の中には大風に限らず随分面白い事がたくさんあるし、またあなたなんざあその面白い事にぶつかろうぶつかろうと苦労して御出なさる御様子だが、大学を卒業しちゃもう駄目ですよ。いざとなると大抵は自分の身分を思いますからね。よしんば自分でいくら身…

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精神分析がここで言っていることは、プラトンが言った言葉、すなわち善人とは悪人が現実に行っていることを夢にみて満足している人間であるということ以外のなにものでもないのです。 (フロイト「精神分析入門」より)

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「奥さん、僕は人に厭がられるために生きているんです。わざわざ人の厭がるような事を云ったりしたりするんです。そうでもしなければ苦しくってたまらないんです。生きていられないのです。僕の存在を人に認めさせる事ができないんです。僕は無能です。幾ら…

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彼の時間はそんなことに使用するには余りに高価すぎた。 (夏目漱石「道草」より)

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自殺して了った人間というものはあったが、自殺しようと思っている人間とは自体意味をなさぬ。 (小林秀雄「Xへの手紙・私小説論」より)

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抵抗を放棄することを学ぶためには、自分の希望し空想した何らかの世界や自分の考え出したような性質の完全さと、この世界を比較することはもはややめ、世界をあるがままにまかせ、世界を愛し喜んで帰属するためには、自分の罪を大いに必要とし、歓楽を必要…

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めいめい目標をめざし、めいめい目標にとりつかれ、めいめい悩みながら。 (ヘッセ「シッダールタ」より)

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世界はにがい味がした。人生は苦悩であった。 (ヘッセ「シッダールタ」より)

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世の中から変人とか奇人などといわれている人間は、案外気の弱い度胸のない、そういう人が自分を護るための擬装をしているのが多いのではないかと思われます。やはり生活に対して自信のなさから出ているのではないでしょうか。 (太宰治「私は変人に非ず」よ…

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幼児は、最初は他人ならぬ自分自身を愛するのです。のちになってはじめて他の人間を愛し、他の人間のために自分の自我の幾分かを犠牲にすることを学びます。 (フロイト「精神分析入門」より)

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いかに、人間の世が穢くっても、自分が兎に角足を著けて生きて居る大地から全く飛び離れて、御伽噺の子供のように架空的な天国へ昇ってしまったり、夢幻的な楽園へ救われていったりしようとは望まなかった。 (谷崎潤一郎「異端者の悲しみ」より)

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智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。 (夏目漱石「草枕」より)

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汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちま…

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昔 私は思つてゐたものだつた 恋愛詩なぞ愚劣なものだと 今私は恋愛詩を詠み 甲斐あることに思ふのだ だがまだ今でもともすると 恋愛詩よりもましな詩境にはいりたい その心が間違つてゐるかゐないか知らないが とにかくさういふ心が残つてをり それは時々私…

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元来さう云ふイズムなるものは、便宜上後になつて批評家に案出されたものなんだから、自分の思想なり感情なりの傾向の全部が、それで蔽れる訳はないでせう。全部が蔽れなければそれを肩書にする必要はありますまい。 (芥川竜之介「イズムと云ふ語の意味次第…

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わがロマンチストの特色は、全てを理解し、すべてを見ること、しかも、わが国の最も実証的な頭脳の持ち主が見るよりもしばしば比較にならぬほど明晰に見ることである。何人とも何物とも妥協しないが、同時に何事も毛嫌いすることなく、すべてにさからわず、…

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女はもう「あの女」ではない。度胸の好い母の一人である。一たび子の為になつたが最後、古来如何なる悪事をも犯した、恐ろしい「母」の一人である。この変化は勿論女の為にはあらゆる祝福を与へても好い。 (芥川龍之介「あばばばば」)

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かつて言葉は魔術でした、そして言葉は今でも魔力を秘めています。 (フロイト「精神分析入門」より)

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私がオプティミストであるということは、あり得ないことです。(しかし、私はペシミストでもありません。)ペシミストと違うところは、悪とかばかげたこととか無意味なことに対しても心の準備ができているという点です。なぜなら、私はこれらのものを最初から…

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そうなったら僕はべんべんとした太鼓腹を抱え、顎を三重にもくびらせ、赤鼻をにゅっと突き出して、道に行き合った者がみんな僕を見て、<これこそ正(プラス)だ!これこそ真に積極的(ポジティブ)な人間だ!>と言うようにしてやろう。諸君はどう思うにせ…

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本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である。 (太宰治「如是我聞」より)

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でも、リーザ、また言うけどね、人間というものは、不幸のほうだけを並べたてて、幸福の方は数えようとしないものなんだ。 (ドストエフスキー「地下室の手記」より)

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この哲学的客寄せ宣伝を―もともとそれはひとかどのドイツ市民の胸に慈善的な愛国心をひきおこしさえするのだが―ただしく評価するためには、またこうして青年ヘーゲル派の全運動のくだらなさと地方的な偏狭さを、つまりこれらの英雄輩がじっさいにやっている…