悪について

人の心にはもともと悪も備わっているのかもしれない。人間は他人と自分、或いは、自分と自分の関係性によっていると最近は思うけれど、私の存在がここまで悪であるというのも自分の中にある悪だけでは説明がつかないような心持ちがして、他人があって自分があると言うのなら、私のこの悪も他人に引き受けてほしい。
おおよそ、哲学とは自分と他との関連についての考察と私は諒解していて、他を受け止める自己とそれを他に送り返す自己の問題であると考えているが、実存主義者は両者のバランス、太宰治中原中也という人は前者の感覚がすぐれた人のように思う。おそらくは、悪や道徳の問題についてもいえる気がする。