太宰治の人と文学

太宰治っていう人は「走れメロス」のイメージか「人間失格」、「斜陽」のイメージしかないようだけれど、「新釈諸国噺」、「富岳百景」、「津軽」と読むとそれは一面的な評価でしかないと気づくはず。彼は、罪の意識を抱えながらそれといかに戯れ、しかし、いかに生きていくか、という実験を続けた人のように感じる。作品の中で神を求める心持も分かる気がする。
人間失格」を読んだだけで、太宰治を嗤うのはつまらないことですよ。