在りし日の歌

兎に角酒に酔うのは簡単だった。死ななければ幻覚を捉えるのだから。
周りにあるものは、いや、止そう、ふっと安い酒に酔うのも背徳を感じなくなった自分だけが、ただ、一人、乱雑な部屋の中でいるのを知っている。
なんだか人恋しい自分だけが、哀しい。哀しいとは哀れということだ。