今日の言葉

私自身も、数年前に私ときわめて親しかった姪の一人が二十一の年に自殺したとき、美しいうちに死んでくれてよかったような気がした。
一見清楚な娘であったが、壊れそうな危なさがあり真逆様に地獄へ堕ちる不安を感じさせるところがあって、その一生を正視するに堪えないような気がしていたからであった。
(坂口安吾堕落論」から)